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兜跋毘沙門天
平安時代(国指定重文)
当山に鎮座する42体の毘沙門天群像の中心的存在。 神々の中で、仏法守護の役目も司っています。
優しさを兼ね備えた戦の神でもあり、そのお力を振るう際にも誰一人として殺しません。
外敵や魔を祓ってくださり、 家族を見守る父のような包容力を持った神さまです。
右手には宝棒 を持ち、迷いや不安を祓い、我々を正しい方向へと導いてくださいます。
左手には多宝塔を持ち、 その中には沢山の財宝が納められております。 財宝は求める人の必要に応じるとされ、その中身は経典や人脈、知識や金銀財宝と様々です。
ご真言 おんべい しら まんだや そわか
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吉祥天女
平安時代(国指定重文)
毘沙門天さまの奥さんで、神々の中で最も 艶 やかで美しいお姿をなさっています。
美と健康を兼ね備えた家族の守り神さま。 広い度量をお持ちになり我々を優しく穏やかに見守ってくださっています。
左手の 如意宝珠 は願う人の希望を叶えてくださり、理想の家庭像を作りあげる良縁成就の力を分けてくださいます。
仕事と家庭の両立も後押ししてくださり、家族が幸せに過ごすことのできる力をお持ちです。 また、夫婦仲良く助け合う夫婦和合の女神さまでもあります。
ご真言 おんまか きゃらや そわか
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善膩師童子
鎌倉時代
毘沙門天さまのお子さんで、 無限の知識を持った心優しい学問の神さまです。
人々に、学ぶことの楽しさと生きていく為の智恵を、決して怒ることなく丁寧に教えてくださいます。 手には知識の詰まった 宝筐 をお持ちになり、一度見聞きしたことは忘れない記憶力、試験等で実力を発揮出来る集中力を後押ししてくださいます。他者にない個性や温厚な人柄を伸ばす御利益もあります。
ご真言 おんぜん にしえい そわか |
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阿弥陀如来
奈良時代前期(県指定重文)
当山のご本尊で、1000年以上前から続く「阿弥陀信仰」を今に伝える仏さまです。 阿弥陀信仰とは、手を合わせてお祈りすることにより死後、阿弥陀さまに導かれ極楽へと安らかにたどり着けますようにと願う仏教思想です。
ご真言 「おんあみりたていせいからうん」 と手を合わせてお唱えすることにより、穏やかな笑顔で人生の最期を向かえ、極楽へと優しく導いてくださいます。
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釈迦誕生佛
奈良時代後期(県指定重文)
時は平安時代、人々は「末法の世」が訪れると恐れていました。
「末法」の世とは?
第一の時代 お釈迦さまが入滅された後、1000年間はお釈迦さまの教え(仏法)を正しく理解し修行が行われることにより、人々の心に仏教が広がり平和で安定した「 正法 」の時代が続きました。
第二の時代 次の1000年は、お釈迦さまの教えを深く理解し修行できる人が次第に少なくなるも、穏やかで安定した「 像法 」の時代が続きました。
第三の時代 しかし、平安時代には「仏法」を理解できる人がいなくなることで、教えが途切れてしまうと同時に。人々が争いや飢餓・疫病に苦しむ混沌とした「末法」の時代に突入し、救いのない時代が10000年続くと考えられていました。 当時の人が、「世紀末」が来る恐れていた歴史観のことを「 末法思想 」と言います。
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経瓦 法華経八巻(安養寺裏山経塚出土品)
平安時代(国指定重文)
混沌とした「末法」の10000年が過ぎ、新しい平和な時代を迎えたであろう後世の人々に、「仏法」を劣化しない瓦に刻み託すことにしました。この瓦を、経塚群から出土した「経瓦 」といいます。
当時の人々は、「経瓦」を完成させ後世に伝えることで、自らの生きてる間に善行を積み重ね、自身の死後安らかに「末法」の世を離れ、極楽に導いてもらえるよう「極楽往生」を願いながら、「経塚」に納め安置しました。
当時の人々が「仏法が再び花開く平和な時代」が来ることを願いながら後世に託した、お釈迦さまの教えを「心」で感じていただけます。
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